下痢が続く
下痢自体はとても身近な症状ですが、数日続くと不安になる方も少なくないでしょう。
ポイントは
です。
① 2週間以上続いているか
下痢の原因として圧倒的に多いのは
感染性腸炎(お腹のかぜ)
です。
感染性腸炎はしっかり水分を摂って下痢を出し続けること、つまり原因となっている細菌やウイルスを物理的に押し流してしまうことが一番の治療です。
故に下痢止めを使用してはいけません。また
2週間以上続くことは少ない
という重要な特徴があります。
そのため、発症から2週間以内の下痢は、症状があまりひどくなければ、下痢止めを使わずに、しっかり水分を摂り続けることで様子を見ても良いと考えます。
一方で、発症から2週間以上続くと、感染性腸炎の確率がぐんと下がります。
過敏性腸症候群という症状が強くなければ経過観察をしても良い疾患のほか、
- 甲状腺機能異常
- 糖尿病
- 炎症性腸疾患
など、治療を要する疾患も想定しなければならないので、一度受診を検討されてください。
② 血便を伴わないか
便通異常に血便を伴う際は、危険信号だと思ってください。
長引く下痢+血便では、炎症性腸疾患や大腸がんなどの重たい疾患も想定する必要があります。
感染性腸炎で認めることもあり、全ての血便が問題となる訳ではありませんが、繰り返す際は大腸カメラなどの精査を是非検討されてください。
③ 下痢になる1-2週間前から、何か薬を始めなかったか
感染性腸炎の次に多い下痢の原因は、実はお薬によるものです。
抗菌薬、胃薬、解熱鎮痛薬、糖尿病薬、降圧薬、経口避妊薬、痛風発作予防薬、免疫抑制剤、抗がん剤、漢方薬…
等々、多くの薬が原因となり得るため、何かしらのお薬を始めて間も無く下痢が始まった方は、それらとの関連を一度検討することになります(いずれも必要があって開始されていると思いますので、自己判断での中止はお控えください)。
ご来院頂く際は、お薬手帳か今飲まれているお薬そのものを、必ずお持ちください。