胃や胸が痛い・調子が悪い
みぞおちから胸にかけて何らかの調子の悪さがある方は、この頁をご覧ください。
その部位にある臓器は多岐に渡り、どの臓器に原因があるかご自身で判断するのは困難です。
特に「胃が痛い」と思われても原因が「胃」でないことはしばしばありますので、ご注意ください。ただ
①→②→③の順に考えれば、ある程度原因となっている臓器を絞り込むことができます。
①深呼吸で悪化するか
深呼吸、特に息を吸い込む時に悪化するとすれば
胸壁もしくは胸壁に接する臓器
の異常を考えます。
肺や心臓、肋軟骨などがそれにあたります。
さらに、症状が突然始まったかどうかを加えると、より細かく絞り込むことができます。
突然始まった
- 肺塞栓症
- 気胸
- 心膜炎
- …
じわじわ始まった
- 肋軟骨炎
- 肺炎
- 肺がん
- …
ここまで絞ったら、X線や心電図を用いて、疑わしい疾患がないかを探っていきます。
② 食事で悪化するか
深呼吸で悪化しない場合は、次に食事で悪化するか考えます。
食事で悪化するとすれば
消化器
の異常を考えます。
- 胃や食道由来の疾患
- 胆道由来の疾患
- 膵炎
が考えられ、血液検査や腹部エコー、胃カメラを用いてさらに絞り込んでいきます。
③ 触れるだけで痛くないか
深呼吸でも食事でも悪化しない時は、触れるだけで痛くないか考えます。
触れるだけで痛い時は、当然かもしれませんが
皮膚や皮下組織
の異常を考えます。
- 帯状疱疹
が代表的です。
初期のうちははっきりとした皮疹を認めない点に注意です。
治療が遅れると痛みが長引くことになるので、少しでも怪しければ投薬を開始します。
最後に、深呼吸でも食事でも悪化せず、触れても痛くない時は、
心臓や大動脈
の異常を考えます。
心電図やX線、心エコーを用いて検討しますが、それだけでは診断を付けきれない場合も少なくありません。
対応が遅れると命に関わることもありますので、そういった場合は、総合病院へ紹介をさせて頂きます。