咳が続く
元から辛い症状ではありますが、コロナの流行以来、社会的な意味でさらに辛い症状となりました。
ポイントは
です。
① 2-3週間以上続いているか
咳は
発症2-3週間
という時期を境にして、原因となる疾患の頻度が変わってきます。
ざっくり
- 発症2-3週間まで … 感染症による咳(かぜなどに伴う咳)
- 発症2-3週間から … 感染症以外による咳
が多いと考えてください。
感染症以外による咳の中には、肺がんなど発見が遅れると予後に関わるものも含まれるため、2-3週間以上続く咳は、一度X線を撮っておくことをお勧めします。
② どの時間帯に咳が出やすいか
「2-3週間以上続く感染症以外の咳」の中に含まれる疾患は、かなり多岐に渡り、それぞれ治療が異なります。
それらを区別していくうえで初めに必要な情報が
どの時間帯に咳が出やすいか
です。
具体的には
- 明け方〜早朝 … 喘息・咳喘息、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
- 就寝前/起床時 … アトピー性咳嗽、副鼻腔気管支症候群
- 食事中/満腹時/起床時 … 逆流性食道炎
- 一日中 … (長引くタイプの)感染症による咳、間質性肺炎、肺がん
- 診察室などの人前 … 心因性咳嗽
となります。
③ 痰は多いか、多いなら何色か
次に役に立つのが
痰は多いか、多いなら何色か
という情報です。
具体的には
痰が少ない
- 喘息・咳喘息
- アトピー性咳嗽(初期)
- 逆流性食道炎
- 百日咳・マイコプラズマ感染症
- 心因性咳嗽
痰が多い
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症→ 黄色・粘液性
- アトピー性咳嗽(後期) → 透明
- 副鼻腔気管支症候群→ 黄色・血性
- 気管支結核 → 透明・黄色
- 肺がん→ 血性
となります。
詳細な呼吸器科的検査やCT、胃カメラで、ここからさらに絞り込む方針もありますが、当院は問診でここまで絞り込んだら、あまり長引かせる前に投薬治療を始める方針としております。
それが有効かどうかで、診断の正否を最終的に判断することができるからです。