メニュー

腎臓の値が悪い

一般的に「腎機能障害」と呼ばれます。
症状が出る末期まで気付かなかった、という不幸なケースも稀にありますが、多くは健診で異常値を指摘された、というケースでしょう。

  1. 一昨年、昨年と比べて急速に悪くなってはいないか
  2. 蛋白尿はないか
  3. 糖尿病、高血圧症、血尿はないか

の3つがポイントです。

①一昨年、昨年と比べて急速に悪くなってはいないか

まず前提として、人間の腎臓には使用期限があります。
腎臓はネフロンという構成単位が左右それぞれ100万個ほど集まってできていますが、これは一度完成したらそれ以降増加せず、加齢とともに徐々に減少していきます。
つまり生きている限り腎機能は低下していき、いずれ0に近づくははずですが、実際は大部分の方が人工透析に至りません。それは

腎機能を失う前に命を失う

からです。
要は「多少機能が落ちても死ぬまで使えればそれで良し」と、家電製品の様に割り切ってしまえば良いということです。

しかし現在、毎年一定数の方が人工透析に至っています。なぜなら

の赤いグラフの様に腎機能の低下するスピードが早い方が中にはおり、そういった方は

命を失う前に腎機能を失ってしまう

からです。

つまり腎機能障害を指摘された方は、その腎機能を以前のものと比べ、低下するスピードが早くないかどうかを確認する必要があります。
受診される際には是非、過去数回分の血液検査結果をご持参ください。

② 蛋白尿はないか

①に述べた考え方だけでも概ね差し支えないのですが、一つ問題があります。それは

腎機能が実際に低下し始めてからでないと気付けず、後手に回ってしまう

ということです。
前述したように低下した腎機能は元には戻らないため、低下する前に気づけるならそれに越したことはありません。そこで用いるのが

蛋白尿の有無

です。

蛋白尿が一定量以上出ている方は、赤いグラフの様に、その後の腎機能低下のスピードが早いことが少なくありません。
言い換えると、蛋白尿が出ていることがわかれば、その方の腎機能が将来急速に低下してこないか、予め警戒することができるのです。

③ 糖尿病、高血圧症、血尿はないか

腎機能が急速に低下している、あるいは尿蛋白が出ている、ということがわかれば、次に行うべきは原因の追求とその治療です。その原因とは

  • 糖尿病
  • 高血圧症
  • 慢性腎炎

であることが多いです。

糖尿病や高血圧症の有無については、血液検査や家庭での血圧測定で比較的簡単にわかりますが、慢性腎炎についてはそれほど単純ではありません。
しっかりと診断をつけるためには、腎生検という専門病院でしか行えない検査が必要になるためです。
慢性腎炎の多くは蛋白尿に加え血尿を伴いますので、血尿も繰り返し認める場合には、専門病院への紹介を検討させて頂きます。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME